年次有給休暇と土日祝日手当の支払い

年次有給休暇と土日祝日手当の支払い

当社は土日祝日が忙しいので、土日祝日に出勤した従業員には、時間給を200円加算して支払っています。従業員がシフトを入れていた日曜日に年次有給休暇を取得した場合は、200円加算した時間給で計算して支払う必要がありますか?

支払う必要はないと考えられますが、就業規則(賃金規程)で明確に規定しておくことが望ましいです。

例えば、通常の時間給を1,200円、土日祝日の時間給を1,400円としていたとします。

実際に日曜日に6時間の勤務をしたときは、1,400円×6時間=8,400円の賃金を支払います。

同じ設定で、その日に年次有給休暇を取得した場合に、同様に8,400円の支払い義務があるのか、7,200円(=1,200円×6時間)を支払えば良いのか、2通りの方法が考えられます。

会社が時間給を200円加算しているのは、土日祝日に出勤した従業員に対する補償や一定数の従業員の確保が目的と考えられます。

しかし、年次有給休暇を取得した場合は、実際には出勤していませんので、補償をするのは不合理です。目的に照らし合わせると、加算しない賃金(7,200円)を支払えば問題はないと考えられます。

一方、従業員の立場になると、「年次有給休暇を取得した日は出勤したのと同じだから、加算した賃金を支払って欲しい」と考えるかもしれません。

トラブルが発生することを防止するために、就業規則(賃金規程)に明確に規定することが望ましいです。

土日祝日手当でも何でも良いですが、加算部分に名称を付けて、「土曜日、日曜日、祝日のいずれかに実際に出勤したときは、土日祝日手当を支給する」と規定すれば、年次有給休暇を取得した日は“実際に出勤したとき”に該当しませんので、支給対象外であることが明確になります。

就業規則(賃金規程)に明確に規定しておけば、従業員に説明しやすいですし、納得も得られやすいです。