仕事が遅い従業員の残業手当

仕事が遅い従業員の残業手当

仕事が早い従業員は余り残業をしないので、残業手当は少ないです。反対に、仕事が遅い従業員は同じ仕事量でもたくさん残業をするので、より多くの残業手当を支払うことになります。会社としては納得できないのですが、仕方がないのでしょうか?

残業手当の支払いは、労働基準法で決まっていることですので仕方がないですが、いくつか考えられる方法があります。

従業員が残業(時間外勤務)をしたときは、残業時間に応じて残業手当(時間外勤務手当)を支払うことが、労働基準法で義務付けられています。

残業手当を支払わないと違法になりますので、これは守らないといけません。

しかし、そのような状態を放置していると、優秀な従業員が不満を持ったり、ゆっくり仕事をするようになるかもしれませんので、不公平な状況は改善する必要があります。

会社は労働基準法等の法律を守った上で、どのような対応ができるのか検討することになります。

例えば、人事考課の方法(賃金の決定方法)や仕事の与え方については、労働基準法では決まりはありません。

支払い過ぎた分を調整する方法として、次のような対応策が考えられます。

  1. 賞与の支給額で調整をする。
  2. 昇給で調整をする。
  3. 仕事量を調整する。

最初に、過去1年間に支払った賃金総額(残業手当や賞与等)を、個人別に算出してください。

次に、直感で従業員を貢献度順に並べて(従業員の貢献度を把握できる範囲内に限られます)、上の金額と見比べてください。

直感が正しいと仮定して、賃金総額と貢献度の順位が逆転している所があれば、賞与の支給額で調整をしたり、次回の昇給で調整をしたりすることが考えられます。

ただし、賞与の支給額を具体的に約束している場合は減額できません。また、昇給の停止は可能ですが、降給は難しい(本人の同意が必要です)ので安易に行わないでください。

また、仕事が遅い従業員の仕事量を減らして残業させなければ、残業手当が膨れ上がることもありません。