1時間の遅刻と残業

従業員が1時間の遅刻をして、その日に1時間の残業をしたときは、会社は残業手当を支払わなくても良いのでしょうか?

労働基準法上は、支払う義務はありません。

1日8時間を超えて勤務をしたときは、125%の時間外勤務手当を支払うことが、労働基準法で義務付けられています。

この1日8時間というのは、休憩時間を除いた実労働時間のことを言います。

例えば、始業時刻が9時、終業時刻が18時、休憩時間が12時から13時まで、とすると、1日の勤務時間(実労働時間)は8時間になります。

このときに、1時間の遅刻をして、10時から19時まで勤務(1時間の休憩)をしたとしても、その日の実労働時間は8時間ですので、労働基準法上は、時間外勤務手当を支払う義務はありません。

また、就業規則の労働時間の部分で、「やむを得ない事情がある場合は、始業時刻及び終業時刻を繰り上げ又は繰り下げることがある」といった規定を設けている会社もあると思います。

その場合は、この規定を適用して、始業時刻と終業時刻を1時間繰り下げたことにすれば、通常どおり、定時と変わらない勤務をしたものとして処理できます。時間外勤務手当を支払う必要はありません。

しかし、このような規定が就業規則になくて、賃金規程に「終業時刻を超えて勤務をしたときは、125%の時間外勤務手当を支払う」といった規定がある場合は、賃金規程(就業規則)が優先されて、1時間分の時間外勤務手当を支払わないといけません。

ただし、1時間分の遅刻と相殺をして、結果的には25%分だけ加算して支払うことになります。

また、就業規則に、労働時間の繰り上げ・繰り下げの規定があったとしても、深夜の時間帯(22時から翌日の5時まで)に及ぶ場合は、深夜勤務手当を支払わないといけません。