育児休業期間の賞与の支払い
育児休業期間の賞与の支払い
育児休業中の従業員には、賞与を支給しなくても良いでしょうか?
賞与の支給日に休業しているかどうかは関係なくて、賞与の支給対象期間の勤務状況によります。
育児介護休業法(第10条)によって、従業員が育児休業をしたことを理由として、不利益な取扱いをすることが禁止されています。
また、育児介護休業法の指針(ガイドライン)によって、不利益な取扱いの1つとして、「賞与において不利益な算定を行うこと」が例示されています。
賞与を算定するときに、例えば、賞与の支給対象期間が6ヶ月で、最初の2ヶ月は通常どおり勤務をして、それ以降の4ヶ月は育児休業を取得していたとすると、賞与の額を2/6に減額すること(その期間の評価に基づいて支給額を決定すること)は、不利益な取扱いに該当しません。
これを超えて減額したり、賞与の支給日に休業していることを理由に不支給にしたりすると、不利益な取扱いに該当します。
したがって、賞与の支給対象期間の全部が育児休業期間と重複している場合は、賞与は不支給でも問題はありません。
同様に、育児短時間勤務の制度を利用して、例えば、所定労働時間を1日8時間から1日6時間に短縮した従業員については、賞与の額を6/8に減額すること(その期間の評価に基づいて支給額を決定すること)は可能です。
以上の取扱いについては、介護休業を取得した場合も同じです。
更に、男女雇用機会均等法でも、妊娠・出産したことを理由にして、不利益な取扱いをすることが禁止されています。
したがって、産前産後休業の期間についても、賞与の支給対象期間のうち、通常勤務をした期間の割合に応じて、賞与を支払う必要があります。
以上の取扱いは、法律上の最低限の取扱いとして定められているものですので、満額の賞与を支払ったりして、従業員にとって有利な取扱いをすることは差し支えありません。
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