育児休業給付金
育児休業給付金
従業員が育児休業を取得したときは、給付金が支給されるのでしょうか?
要件を満たしている従業員が育児休業を取得したときは、雇用保険から従業員に育児休業給付金が支給されます。
育児と仕事を両立するための支援制度として、社会保険(厚生年金保険と健康保険)においては、育児休業期間中の保険料が免除されたり、産前産後休業の期間に対して出産手当金が支給されたりします。
雇用保険においては、無給で育児休業を取得した場合の賃金を補償するために、育児休業給付金という制度が用意されています。
育児休業給付金の受給要件
育児休業給付金の受給要件は、次のとおりです。
- 雇用保険の加入期間が1年以上あること(休業開始前の2年間に、11日以上出勤した月が12ヶ月以上あること、又は、80時間以上労働した月が12ヶ月以上あること)
- 育児休業期間中の賃金が休業前の賃金の8割未満であること(1ヶ月単位で判定)
- 1ヶ月の出勤日数が10日以下であること(10日を超える場合は労働時間が80時間以下であること)
条件は緩いので、雇用保険に1年以上加入していて、普通に育児休業を取得すれば受給できると思います。
育児休業給付金の支給額
育児休業給付金の支給額は、最初の6ヶ月間は休業前の賃金の67%です。それ以降は50%になります。
ただし、育児休業の期間中に賃金が支給される場合は、育児休業給付金が減額されます。具体的には、育児休業給付金と賃金の合計額が、休業前の賃金の8割を超えた場合は、その超えた額が減額されます。
育児休業給付金が支給期間
育児休業給付金が支給される期間は、育児介護休業法に基づいて取得する育児休業の期間です。原則的には、子が1歳になるまでですが、保育所に入所できない等の事情がある場合は、子が1歳6ヶ月になるまで、更に2歳になるまで延長して支給されることもあります。
育児休業は男女ともに取得できる休業ですので、父親が育児休業を取得して受給要件を満たしている場合は、父親にも育児休業給付金が支給されます。
育児休業給付金の手続き
育児休業給付金を受給する場合は、育児休業を開始したときに(支給申請書を提出する日までに)、「休業開始時賃金月額証明書」をハローワークに提出する必要があります。
また、初回の支給申請を行う場合は、同時に受給資格の確認を行うことになっていて、「育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書」を提出することになっています。
その際は、賃金台帳、出勤簿やタイムカード等、母子健康手帳のコピーの添付が求められます。事前にハローワークに電話をして、必要書類の確認をすると円滑に進められると思います。
2回目以降の支給申請については2ヶ月に1回、「育児休業給付金支給申請書」を提出して行います。
また、出産日から8週間の期間内に、4週間(28日)以内の期間を定めて、産後パパ育休(出生時育児休業)を取得した従業員を対象として、出生時育児休業給付金が創設されました。
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