子の急病で欠勤する従業員に対する不満

子の急病で欠勤する従業員に対する不満

育児休業から復帰した従業員が、子の急な発熱等を理由にして、頻繁に会社を休みます。そのため、他の従業員の負担が増えて不満が生じています。どうすれば良いでしょうか?

お互いに協力し合える職場にして、そのような従業員を上手に使いこなすことができれば、会社の強みになると思います。

子育て中の従業員が頻繁に会社を休んで、他の従業員に業務のしわ寄せがいって不満が生じている場合、次の3つが解決方法として考えられると思います。

1.他の従業員に理解を求める

他の従業員には、「自分も親の介護をすることがあるかもしれないので、今はお互い様と思って、従業員同士で助け合って欲しい」「子がもう少し大きくなれば安定すると思うので、それまで我慢して協力して欲しい」と説得をして、納得してもらえれば、不満は和らぐと思います。

「本人は好き勝手に休んで、私たちに仕事を押し付けて軽んじられている」と感情的になって、不満が生じることがあります。臨時に寸志を支払って、業務のフォローをしてくれて感謝していることを伝えれば、そのような感情を緩和できます。

根本的な解決策とは言えませんが、コミュニケーション不足が原因で不満が生じている場合は、会社の方針や考えを示したりして、丁寧に話し合うことが大切です。

2.本人の状況を確認する

発熱等があると保育園で預かってもらえませんので、共働きの場合は、通常は両親のどちらかが会社を休まざるを得ません。そのような場合はどうしようもありませんが、欠勤や遅刻・早退の頻度が多過ぎる場合は、どういう状況か確認をした方が良いでしょう。

本人には業務に支障が生じていることを説明して、毎回、母親が会社を休んで世話をしているような場合は、父親や他の者に交替してもらえないか尋ねてみても良いでしょう。

従業員が法律で定められている子の看護休暇や年次有給休暇を取得する場合は、会社が制限したり、拒否したりすることはできません。しかし、それ以外の欠勤や遅刻・早退は、基本的にはルール違反(契約違反)です。

本人にとっては心身共に負担が大きい状況と思いますので、会社としてはできる限り、育児をする従業員をサポートする姿勢を示すことが大切です。

3.業務のしわ寄せが発生しないようにする

例えば、1時間遅刻をしたときに、終業時刻を1時間遅らせて、所定労働時間が変わらないようにすれば、他の従業員に業務のしわ寄せが発生することはありません。

また、在宅勤務が可能な業務であれば、それを認める方法があります。ただし、子の世話をしながら自宅で円滑に業務を遂行できるかどうか確認をするために、日数や労働時間を制限して開始した方が良いでしょう。

急に休まれると業務のしわ寄せが発生しますので、最初から、例えば、所定労働時間又は所定労働日数を半分にして、それを補充するために、パートタイマーを期間を定めて雇用したり、派遣企業を利用したり、業務の配分を見直したり、人員の配置を調整したりする方法も考えられます。

子育てや介護をする従業員にとって働きやすい職場、協力し合える職場は、離職率が低くて、優秀な人材を採用しやすくなります。工夫をして、それが実現できれば、会社の強みになります。