スメル・ハラスメントの対応
スメル・ハラスメントの対応
従業員から同僚の体臭で困っているという相談を受けました。会社としてどのように対応すれば良いでしょうか?
最初は職場全体に掲示する等して様子を見て、次に個別に面談をする方法が考えられます。
酷い体臭は周りの者に不快感を与えます。スメル・ハラスメントと呼ばれたりして、職場環境や人間関係の悪化にも繋がりますので、会社として何らかの対応をすることが求められます。
しかし、体臭については、本人に悪意はありませんし、自覚していないこともあります。また、デリケートな問題ですので、指摘の仕方によってはそれ自体がハラスメントになりかねません。
スメル・ハラスメントの対応としては、本人が自覚するよう促して、自主的に改善してもらうしかありません。次の3段階で進める方法が考えられます。
まずは、事実確認をすることです。
臭いの感じ方には個人差がありますので、臭いに敏感な一部の人が過剰に反応している場合があります。同じ職場の複数の同僚から聴取して、業務に支障が生じる程度か確認をします。
次に、職場全体に向けて周知するための掲示板や社内報があれば、そこで次のような注意喚起を行います。
- 「匂いも身だしなみの一部です」
- 「快適な職場環境を維持するために、体臭や香水等を含めて、身だしなみに配慮してください」
同時に空調設備や換気を見直したり、空気清浄機を設置したりして、職場でスメル・ハラスメントに関する意識を高めることで、自発的に臭い対策をすることが期待できます。
改善されない場合は、最後に、個別に面談を行います。プライバシーに配慮して、面談は個室で行うこととします。
面談はでは人格を否定しないように、「体臭が臭う」「清潔にしてください」というような直接的な表現は避けて、言葉を選びながら慎重に話を進めます。話の流れとしては、次のような内容が考えられます。
- 「職場環境の改善の一環として、体臭に関する相談がありました」
- 「私は汗かきなので、気を付けている」と共感を示すことで、相手に受け入れられやすくなります。
- そして、「一般的に自分の臭いには鈍感です」「私は制汗剤(デオナチュレ)を使っています」「制服は○日で交換しています」「夏場は出勤前にシャワーを浴びています」と、自分のこととして話を行います。
そして、約2週間後に、同僚に改善されたか確認を行います。改善されない場合は、再度面談を行って、実施したことの確認を行います。
- 「体質的なものであれば、やむを得ません」
- 「体質や病気が原因の場合は、医療機関に相談をしてはどうでしょうか」
再度の面談ではこのような話をすることも考えられますが、医療機関の受診を強制することはできません。

執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。
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