傷病手当金(出産手当金)の支給額の変更
傷病手当金(出産手当金)の支給額の変更
健康保険の傷病手当金の支給額が変わったのでしょうか?
平成28年4月1日から、傷病手当金の支給額の計算方法が変更されています。
従業員が病気やケガのために、仕事を3日連続して休んで、賃金が支払われない場合は、4日目以降の休んだ日に対して、健康保険から傷病手当金が支給されます。
従来の傷病手当金の支給額は、1日につき標準報酬日額の3分の2に相当する額でした。標準報酬日額とは、標準報酬月額の30分の1のことを言います。
この支給額の計算方法が、平成28年4月1日から変更されています。
従来は、「休んだ月の標準報酬月額」が基準になっていたものが、変更後は、「支給開始月以前の1年間の各月の標準報酬月額の平均額」が基準になります。
例えば、平成30年4月5日から傷病手当金が支給されるとすると、平成29年5月から平成30年4月までの標準報酬月額の平均額が基準になります。
そして、この平均額の30分の1が標準報酬日額となり、この3分の2に相当する額が、1日分の傷病手当金として支給されます。
ところで、入社して直ぐに病気になったり、支給開始月以前の期間が1年に満たないケースも考えられますが、その場合は次の2つの金額を比べて、少ない方が適用されます。
- 支給開始月以前の各月の標準報酬月額の平均額
- 28万円(平成30年度)
また、産前産後休業をして無給の場合に支給される出産手当金の計算方法も、傷病手当金と同様に改正されています。
なお、この改正は、不自然に賃金(標準報酬月額)を引き上げて傷病手当金や出産手当金を多く受給しようとしたり、傷病手当金や出産手当金の受給を目的にして採用したりする行為があったため、見直されることになったものです。
これまでは「休んだ月の標準報酬月額」が基準になっていましたので、受給中に標準報酬月額が変わったときは、それに応じて傷病手当金の支給額も変わりました。
しかし、改正後は「支給開始月以前の1年間の各月の標準報酬月額の平均額」が基準になりますので、受給中に標準報酬月額が変わっても、支給額は変わりません。
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