うつ病(精神疾患)と傷病手当金

うつ病(精神疾患)と傷病手当金

うつ病で会社を休んでいる従業員がいますが、うつ病の場合も傷病手当金は支給されますか?

従業員が負傷したり、病気を発症したりして、会社を休んだときは、健康保険から傷病手当金が支給されます。うつ病等の精神疾患も支給対象になります。

健康保険の傷病手当金が支給される条件は、次の3つです。

私傷病による療養のため休業すること

傷病手当金は、私傷病(業務外の傷病)を原因とするものに限られます。

業務災害や通勤災害による負傷・病気については、労災保険から給付を受けられます。同様に、休業期間中の賃金を補償する制度として、休業補償給付が支給されます。

過重労働、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント等が原因で、うつ病(精神疾患)を発症した場合は、業務災害と認定されます。

3日以上連続して休業していること

軽度の私傷病については対象外で、連続して3日以上の休業が必要な私傷病に限定されています。4日目以降の休業期間が、傷病手当金の支給対象になります。

傷病手当金の支給申請書には、療養を担当する医師に「労務不能と認めた期間」等を記入(証明)してもらうことになっています。

うつ病(精神疾患)によって、傷病手当金を受給する場合は、自身の判断だけではなく、医師の証明が必要です。

賃金が支払われないこと

傷病手当金は休業期間の賃金を補償する制度ですので、休業していても、賃金が支給される日については、傷病手当金は支給されません。ただし、支給された賃金の額が、傷病手当金の額より少ない場合は、その差額が支給されます。

支給対象外の最初の3日は、年次有給休暇を取得しても構いません。


以上の条件を満たしていれば、健康保険から傷病手当金として、1日につき「直近1年間の標準報酬月額の平均÷30日×2/3」、概算で賃金の約3分の2が支給されます。

傷病手当金が支給される期間は、支給を開始した日から通算して1年6ヶ月です。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。