重複する健康診断

重複する健康診断

当社では毎年6月に定期健康診断を実施していますが、4月に入社した従業員については、雇入れの際に健康診断を実施して、更に6月に行う定期健康診断も受診させないといけないのでしょうか?

その場合は、どちらか一方の健康診断を実施していれば、問題ありません。

労働安全衛生法(労働安全衛生規則)によって、次のように健康診断を行うことが義務付けられています。

  1. 従業員を雇い入れるときは、健康診断を行うこと
  2. 1年に1回定期に、健康診断を行うこと

健康診断は従業員の健康管理を行うことが目的ですが、短期間に2回受診しても、結果はほほ同じですので、余り意味がありません。また、従業員によっては、「エックス線検査は何度も受けたくない」と拒否されることも考えられます。

そのため、労働安全衛生規則によって、雇入れ時の健康診断を受けた者については、1年間は、定期健康診断の実施を省略できることが定められています。

また、雇入れ時の健康診断は、通達では「雇入の直前又は直後」に実施する必要があると示されています。ただし、この“雇入の直後”については、具体的な期限が決まっていません。

“雇入の直前”については、労働安全衛生規則によって、雇い入れる3ヶ月以内に健康診断を受診して、その結果を会社に提出した場合は、雇入れ時の健康診断を省略できることが定められています。

なお、雇入れ時の健康診断は、入社後の適正配置や健康管理に役立てるために実施するものと位置付けられています。

通達で「雇入の直前又は直後」と併記されていること、試用期間を3ヶ月としている会社が多いことを考えると、雇入れ時の健康診断は、入社して3ヶ月以内に実施すれば問題はないと考えられます。

したがって、4月に採用する従業員については、6月に行う定期健康診断を雇入れ時の健康診断とみなすことも可能です。

反対に、4月の雇入れ時に健康診断を実施する場合は、6月に行う定期健康診断は省略できます。受診させなくても構いません。

ただし、雇入れの直後というのは入社して1ヶ月以内とする見解もありますので、可能であれば、それまでの間に雇入れ時の健康診断を実施することが望ましいです。