定期健康診断・雇入時の健康診断の検査項目
定期健康診断・雇入時の健康診断の検査項目
健康診断には種類があるようですが、定期健康診断で実施しなければならない項目は、どのように定められていますか?
労働安全衛生法(労働安全衛生規則)によって、定期健康診断及び雇入時の健康診断で、それぞれ実施する項目が定められています。
労働安全衛生法(第66条)、及び、労働安全衛生規則(第44条)によって、原則として、毎年1回、定期健康診断を行うことが義務付けられています。また、労働安全衛生規則(第44条)で、次の項目について、実施することが定められています。
- 既往歴、及び、業務歴の調査
- 自覚症状、及び、他覚症状の有無の検査
- 身長(※)、体重、腹囲(※)、視力、聴力の検査
- 胸部エックス線検査(※)、及び、喀痰(かくたん)検査(※)
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量、赤血球数)(※)
- 肝機能検査(GOT、GPT、γ−GTP)(※)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)(※)
- 血糖検査(※)
- 尿検査(尿中の糖、蛋白の有無の検査)
- 心電図検査(※)
なお、(※)については、それぞれ定められている年齢等の基準に基づいて、医師が必要でないと認めたときは省略できます。
これらの項目を満たしている健康診断であれば、医療機関(健診機関)はどこで行っても構いません。医療機関(健診機関)に、定期健康診断の申込みをするときに、「企業健診です」と伝えれば、必要な項目を満たした健康診断を案内してもらえるはずです。
また、労働安全衛生規則(第43条)によって、雇入時の健康診断を行うことが義務付けられています。この場合は、次の項目について、実施することが定められています。
- 既往歴、及び、業務歴の調査
- 自覚症状、及び、他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、腹囲、視力、聴力の検査
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(血色素量、赤血球数)
- 肝機能検査(GOT、GPT、γ−GTP)
- 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査
- 尿検査(尿中の糖、蛋白の有無の検査)
- 心電図検査
定期健康診断で定められている検査項目と基本的には同じですが、胸部エックス線検査の項目で、定期健康診断では喀痰(かくたん)検査が追加で定められています。ただし、喀痰(かくたん)検査は、医師の判断で省略が可能です。
また、定期健康診断は一部の項目(※)については、医師の判断で省略が認められていますが、雇入時の健康診断は、省略は認められていません。全ての項目について、実施する必要があります。
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