育児休業者の健康診断の実施義務

育児休業者の健康診断の実施義務

定期健康診断の申込みをしようと思っていますが、現在、育児休業をしている従業員がいます。この従業員の定期健康診断は省略しても良いでしょうか?

育児休業をしている従業員については、定期健康診断を省略しても問題はありません。

労働安全衛生法(第66条)、及び、労働安全衛生規則(第44条)によって、原則として、毎年1回、定期健康診断を実施することが義務付けられています。

しかし、育児という事情があって休業している従業員に対して、会社から健康診断の受診を指示しても、応じることが困難なケースもあるでしょう。

また、定期健康診断の実施義務の対象となるのは、「常時使用する労働者」とされていますので、育児休業中の者はこれに該当しないと考えることもできます。

そのため、厚生労働省の通達によって、育児休業中の従業員については、定期健康診断を受診させなくても差し支えないとされています。したがって、本人が受診を希望しても、会社は拒否できます。産前産後休業や病気等で休業中の従業員についても同じです。

ただし、通達には続きがあって、休業が終了して、職場に復帰したときは、速やかに定期健康診断を実施する義務があることが示されています。

定期健康診断を実施しなくても差し支えないということですので、本人が希望して、会社も支障がなければ、他の従業員と同じ時期に実施することも可能です。

会社と本人の希望が一致していれば、問題になることはありません。休業を開始する前に、健康診断をどのタイミングで受診するのか、本人と話し合うことが望ましいです。