年次有給休暇の請求の取消し

年次有給休暇の請求の取消し

年次有給休暇を請求した従業員が「取得日を1週間後に遅らせたい」と言ってきました。会社は応じないといけませんか?

会社に応じる義務はありません。会社が応じて同意すれば、1週間後に遅らせることも可能です。

従業員が取得日を指定して年次有給休暇を請求したときは、会社が時季変更権を行使しない限り、自動的に有効に成立します。労働基準法上、従業員が年次有給休暇を取得するときに、会社の許可や承認という手続きは想定されていません。

従業員が「取得日を1週間後に遅らせたい」と言ってきたとすると、次の2つの行為をすることになります。

  1. 当初の年次有給休暇を取り消す
  2. 新しく取得日を指定して年次有給休暇を請求する

2.の年次有給休暇の請求は差し支えありません。

1.について、一旦、有効に成立した年次有給休暇は、従業員が一方的に取り消すことはできません。本人が申し出て年次有給休暇を取り消す場合は、会社の同意が必要です。

例えば、代替要員を確保済みで、年次有給休暇を取り消すと会社に損害が生じるような場合は、従業員の申出を拒否しても構いません。当初の請求どおり、年次有給休暇を取得することになります。

年次有給休暇を取り消したときに、業務に支障が生じなければ、従業員の申出に応じることが望ましいです。


執筆者:社会保険労務士 木下貴雄【 登録番号 第27020179号 】
就業規則を専門とする社会保険労務士です。中小零細企業の就業規則に関する悩みは全て解決いたします。日々の業務やホームページでは、分かりやすく伝えることを心掛けています。