妊娠・出産による退職と失業給付

妊娠・出産による退職と失業給付

女性従業員が「妊娠したので退職したい」と言ってきました。入社して8ヶ月しか経っていないのですが、雇用保険の失業給付は支給されるのでしょうか?

そのような場合は、必要な手続きをすれば、勤続年数が1年未満でも、失業給付を受給できる場合があります。

原則的には、自己都合で退職する場合は、最低でも1年以上、雇用保険に加入していないと、失業給付を受給することができません。

しかし、妊娠・出産を理由にして退職する場合は、6ヶ月以上、雇用保険に加入していれば、失業給付を受給できます。ただし、ハローワークで、「受給期間の延長措置」を受けることが条件になっています。

この延長措置の申請手続きは、退職して30日が経った日の翌日から1ヶ月以内に行わないといけません。例えば、8月25日に退職した場合は、9月25日から10月24日までが申請期間になります。手続きができる期間が限られていますので注意が必要です。

また、延長措置の申請手続きをする際は、母子健康手帳等の添付を求められますので、従業員には手続きをする前に、ハローワークに電話をして確認するよう伝えてください。申請書の提出は郵送でも可能です。

なお、この場合も、通常と同じように、退職日から1ヶ月ごとに区切って、賃金支払いの基礎となる日数が11日以上の月をカウントします。カウントをして、6ヶ月(通常は12ヶ月)に満たなければ失業給付は支給されません。

今回は妊娠・出産を理由とする退職についてお伝えしましたが、他にも雇用保険の加入期間が1年未満(6ヶ月以上)であっても、失業給付が支給されるケースがあります。特定理由離職者と言います。

詳しくは、こちらのページでご確認ください