労働契約法の成立

労働契約法の成立の経緯

労働条件(労働時間や賃金、休暇など)の最低基準を定めた法律として労働基準法がありますが、最近は、解雇や賃下げというような労働基準法では対応できないトラブルが増えています。

このようなトラブルは最終的には裁判で決着するのですが、過去の裁判例の積み重ねによって、例えば、解雇が有効か無効かを判断するルール(「判例法理」と言います)が確立されているものがあります。

裁判ではこの判例法理に当てはめて判断されるのですが、このような判例法理は一般の社員や企業経営者には余り知られていません。

そこで、判例法理を法律として整理して明らかにすることによって、労使間のトラブルを未然に防止することが期待されます。

このような背景から「労働契約法」が制定され、平成20年3月1日から施行されることになりました。

労働契約法の成立による企業への影響

労働契約法は判例法理を整理したものですので、労働契約法ができたからと言って、裁判所の判断に影響を与えることはありません。

また、労働契約法は労使の個別の合意を原則としている性質上、労働基準法のような罰則はなく、労働基準監督署による指導等もありません。

しかし、法律として根拠が示されたことになりますから、社員側から見ると法律違反を指摘しやすくなります。つまり、企業としては今まで以上に慎重な対応が求められます。

では、労働契約法には、どういうことが定められているのか見てみましょう。それぞれの規定の基になった裁判例も合わせて紹介しています。

労働契約法

第1章 総則

第2章 労働契約の成立及び変更

第3章 労働契約の継続及び終了

第4章 期間の定めのある労働契約

第5章 雑則

労働契約法から漏れた裁判例(内容)

現行の労働契約法で定められているのは、以上のとおり22条で全部です。しかし、労働関係の判例法理は、これだけではありません。

労働契約法を制定する際に、検討されたけれども、見送られた内容がいくつかあります。その当時、労働契約法の成立を最優先にしたため、小さく生んで大きく育てようという話があったようです。

以下では、法制化が見送られたけれども、判例法理として一般化されている内容、裁判例を紹介しています。

どれも労働関係で無視できない内容ですし、将来、労働契約法に追加される可能性も残されています。これを知っていれば、更に労働契約法の知識が深まるはずです。